人手不足が原因の採用活動をはじめる前に考えてほしいこと
一般的に人手が足りなくなると、人員を増やす=採用活動を行うことが唯一の解決方法だと思われています。
あきらかに人手が足りない場合は採用活動で人員を獲得することが問題解決への近道になりますが、組織そのものに原因があって、本来は採用活動が不要であるのに余剰人員を獲得してしまうというケースも見受けられます。
よくある事例として、
「やることが多すぎて、残業が続いています。
何とか人員を補充して欲しいのですが」という社員からの声。
会社がそれに応えて人員を補充するも、結果は変わらないという話です。
この問題はいったいどこに原因があるのでしょうか?
採用活動をはじめる前に考えてみましょう。
パーキンソンの法則
パーキンソンの法則(Parkinson's law)とは、「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」(第一法則)、「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」(第二法則)という二つの法則を意味しています。
この法則は官僚組織や間接部門でよく見られる現象ですが、「人は時間に余裕があると、その時間数に合った業務処理スタイルに変えてしまう」傾向があります。
同じ仕事を与えられても、12時間働く人は12時間で仕事が終わるように業務処理スタイルを組み、8時間で働く人は8時間で仕事が終わるように業務処理スタイルを組むというわけです。
この法則がはたらくと、本人たちには全く悪気はないのですが、与えられた時間に合わせた非効率な処理方法を当然のものとして採用してしまうのです。
仮にこの「パーキンソンの法則」が閑散期(暇な時期)に働いたとしても、非効率な作業が行われるだけで、まだ問題はありません。
しかし、問題なのは、この非効率なスタイルによって繁忙期に突入する場合です。
本当は8時間で済ませられる仕事を1.5倍の12時間かけてやっていく業務スタイルを定着させてきたわけですから、繁忙期に突然効率化を図ることなどできません。繁忙期に10時間かかる仕事は1.5倍の労力である15時間かけてこなさなければなりません。
こうなると、「今の人員では繁忙期の作業量をこなすことができず、さらに増員の必要性が生まれる」ことになり、どんどん人件費(固定費)がかさんでいく完全な"負のスパイラル"に突入してしまうわけです。この悪循環を繰り返していくことで、気がついた時には、社員の数ばかり多い「ものすごく効率の悪い組織」ができあがってしまうのです。
上記のようにならないために、時間の意識付けをはっきりをさせておくことで、無駄に人材を採用する必要がなくなり、採用経費の削減が可能になります。
結果、大きなコスト削減に繋がります。
- 採用経費を節約するPOINT
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- 本当に増員が必要なのか?現場レベルでの問題点を把握する。