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家賃侍が不動産業界を斬る!第23回 復活する住宅エコポイント制度を斬る!

家賃侍が不動産業界を斬る!

第23回復活する住宅エコポイント制度を斬る!

昨年末のコラムで取り上げた「住宅エコポイント制度」。住宅の新築あるいは増改築を補助する制度で、最高30万ポイント(30万円相当)の補助を受けられるものでしたが、今年7月末で終了となりました。
それが今復活する見通しとなっています。 不動産市場の低迷が続く中、市場活性化の切り札となるのでしょうか?

東日本大震災の後、日本国内は大きな混乱に陥りました。物流は滞り、物資は不足する。普段の生活を一変させる事態となりました。更に追い打ちを掛けるように電力会社は大規模な計画停電を実施し、各地で大混乱が起きました。

そして、不動産市場も流通が停滞しました。高額案件は比較的影響は少なかったようですが、売れ筋価格帯のマンションや戸建ての売れ行き不振により、体力が持たない不動産会社も多く見られました。
特に沿岸部のマンションなどは売れ残りが続出し、人々の地震や津波に対する不安感を表しています。それだけではなく、もっと深刻な問題があります。

それは、福島県以外でも高い数値が検出される放射性物質から逃れるため、関東・東北から西日本や海外各地に移住する人が後を断たないことです。今なお放射性物質を排出し続けている福島第一原発からの放射性物質に加え、全国に拡散されようとしている震災瓦礫にも低濃度の放射性廃棄物が混入することから、全国で原発反対運動が起こっています。
このような動きは不動産市場にとって決して良いニュースではありません。政府の対応如何では市場の混乱に加え、経済の更なる停滞を招きかねません。

今回、前田国交相が明らかにした方針では、「住宅エコポイント制度」を今冬にも復活させるということでした。第三次補正予算に千数百億円を盛り込むそうです。 新築した場合の獲得ポイントは従来の30万ポイントから15万ポイントに半減させるが、東日本大震災で被害が大きかった東北の三県では以前のまま、省エネ改修(上限30万ポイント)と同時に耐震改修をした場合は、ポイントを上乗せする制度も新設するようです。

低迷する不動産市場、とりわけ個人需要を回復させる切り札になるのか?
今後打ち出される野田政権の他の政策と合わせて注視していきましょう。

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