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家賃侍が不動産業界を斬る!第12回 立退き料を斬る!

家賃侍が不動産業界を斬る!

第12回立退き料を斬る!

賃貸している建物が古くなってきたので取り壊して新しい建物を建てたい。
また、土地を有効活用するために今ある2階建のアパートを潰して高層マンションにしたい。など、建て替えにはさまざまな理由があると思います。

しかし、そのような理由だけでは賃貸借契約の解除要件である正当事由(借地借家法28条)を満たさない場合が非常に多くなっています。この場合に必要となってくるのが立退き料です。
(建物の賃貸借について、正当事由があるときは、賃貸人はいつでも、その賃貸借契約の解約を申し入れることができ、その場合に建物賃貸借は、申入れから6ヶ月を経過することで終了することになっています(借地借家法27条、28条))。

それでは立退き料はどのくらいかかるのでしょうか?

実は、立退き料はケースバイケースで相場というものはあってないようなものなのです。
具体的に言うと、物件の状態や入居期間、契約内容、さらには賃貸人の性格やお互いの関係性、事業用か居住用か、などさまざまな要因で変わってきます。

しかし、一般的に立退き料の基準となる要素が3点あります。

まず1点目は、立退きによって賃借人が支払う移転費用です。
具体的には、引越費用や移転先確保にかかる保証金や仲介手数料、現在の賃料と引越し先賃料との差額などです。

2点目は、立退きによって賃借人が失う利益の補填です。いわゆる営業権や居住権と呼ばれるもので、移転先が立退き物件より環境面で劣る、新しい設備費用、休業期間中の損失補填、移転による営業損失補填などが挙げられます。

3点目は、立退きにより消滅する利用権の補償。(いわゆる借家権)借家権価格を算定する方式は、一般的に下記に記載した「割合方式」による計算が多く利用されています。

割合方式による借家権価格 =(土地価格×借地権割合×借家権割合)+(建物価格×借家権割合)

立退き料というと何かいかがわしい印象を受けるかもしれませんが、一般的に賃貸人によって賃借人の生活の拠点が奪われることを制限するものであり、賃借人を保護するものなのです。

借地借家法は基本的に賃借人を保護する法律なので、貸す側としては、賃料収入を計算するだけでなく、立退き料などの様々なリスクを考えておかなければなりません。

こういったリスクを考えるとき、不動産投資を考えてる私としては、表面利回りばかり気になっていた自分を反省するのでした…。

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