人件費とならんで大きなコストである賃料
賃料は一般的に『賃料は下げられないもの』という固定観念があり、コスト削減の対象にはなりにくい部分だと思います。
しかし、不動産バブルで土地の価格が数倍に騰がることもあれば、バブルが崩壊して価格が数分の一になることもあります。
つまり賃料の値段も変動しうるものであり、削減余地のあるコストといえます。
しかし実際のところ、他のコスト削減と違って具体的にどういったことをすれば、賃料を削減できるのか?
簡単にいうと、必要な書類を揃え、家主さんと交渉するというのが一般的な方法だと思います。交渉は苦手だという人は、賃料引き下げ交渉を専門に行う業者もいますので、お願いしてしまうのも手だと思います。
- 賃料を節約するためのPOINT
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- 交渉に必要な資料を揃える。
- 専門の業者に依頼する。
賃料が下がるカラクリ
土地に関する固定概念をなくすことが第一歩です
公共料金や郵送費ならコスト削減に取り組めるのにいざ賃料となると尻込みしてしまう人も多いのではないでしょうか?
主な要因には次のようなものがあげられます。
- 「賃料の値下げはできない」という固定概念がある。
- 賃料・家賃を下げることに抵抗がある。
- 「貸してもらっている」という意識がある。
- 賃料は下がらないという神話を信じている。
- 契約書を締結しているため、変更はできないという思い込み。
- 賃料に関する専門家がいない(わからない)。
- 不動産価格の上昇、低下で賃料が変動することを知らない。
- 交渉したことにより、退去を迫られるのではないかという恐怖感。
など、あげればきりがありませんが、他のコスト削減と違って多くの思い込みが存在するのも確かです。そういった思い込みをなくすことで、賃料の削減に対して具体性を持つことができます。
ではどういった行動を起こせばいいのか?
単に家主さんに頭を下げにいっても削減できないか、微々たる減額しか掴めないと思います。
賃料の削減を実現するためにはそれ相応の準備をする必要があります。
知識を得る・資料を集める
必要だと思われる書類を集めます。
土地の価格資料
- 「土地白書」 … 国土交通省
- 「公示価格、基準地価」 … 県の図書館、文書館、市販の資料
- 「路線価」 … 各税務署、古い資料は県の図書館、文書館
- 「固定資産税の評価額」 … 登記所、市町村役場で公課証明を取得
建物の価格資料
- 「固定資産税の評価額」 … 市町村役場、登記所
- 「減価償却後の残存価格」 … 新築価格を定率法、又は定額法で償却
経済事情の変動資料
- 「全国企業倒産白書」 … 民間調査機関(東京商工リサーチ、帝国データバンク)
- 「国民生活白書」 … 内閣府、その他国の統計資料
上記は参考資料の一例です。
家主さんにとって説得力のある資料を用意できるかが鍵になります。
家主さんと交渉する
家主さんとの交渉に王道はありません。
経過年数や借りた経緯、家主さんとの関係などが複合的に絡み合うため、ベストな交渉は千差万別です。
交渉は基本的に、穏やかに、お願いする姿勢で、きちんとした説明をする態度で、減額分を何に使うのかを正確に伝えてください。用意した資料を効果的に使用しましょう。
- 賃料交渉するためのPOINT
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- 賃料に関する資料を集める。
- お願いする姿勢で誠意ある対応を心がける。
固定費が下がるメリット
固定費とは、売上げに関係なく発生する費用のことを指します。一般的なものとしては、人件費、賃料があります。
コスト削減を考えた場合、電気、ガス、水道のような「流動的」なコストの削減では下がる金額も月々に変化し、安定したコスト削減は望めません。
それにくらべ、固定費である賃料が下がるということは、確実に「下がる金額が確定」するということです。
固定費を削減することで確実にコスト削減に寄与することができます。
しっかりとした準備期間を取る、その業務に専属の人間をつける、専門家の力を借りるなど、万全の体制で臨むことが好ましいといえるでしょう。