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家賃侍が不動産業界を斬る!第1回 敷金を斬る!

家賃侍が不動産業界を斬る!

第1回 敷金を斬る!

今回の内容は、敷金についてです。
敷金とよく似ているものに保証金というものがありますが、その違いは一般的に敷金は個人向けの住宅に、保証金は事業向けの賃貸物件に使われていることが多いです。

敷金とは、借主の賃料の滞納や不注意などによる物件の損傷・破損などに対する修復費用を担保するために借主から貸主に支払われるお金です。
通常、居住用建物の場合は、賃料の1〜3ヶ月、事業用建物の場合は、賃料の10〜12ヶ月分というのが一般的です。貸主は、賃貸借契約終了時に、特約がない限り建物の明け渡しを受けた後に借主から支払われた敷金を返還しなければなりません。

また、特約がある場合であっても借主に一方的に不利な特約とみなされると、民法や消費者契約法などに基づき無効になることになります。もちろん、物件の修繕が必要な場合や賃料の滞納があれば、その額を差し引きした残額ということになります。この場合に注意しなければならないのが、その物件の修繕の原因が借主の故意・過失によるものかどうかが問題になります。

国土交通省のガイドラインによると原状回復とは、「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義づけられています。

つまり、貸主の費用負担としては、経年変化や通常の使用による損耗・キズ等の自然損耗の修繕費は、賃料に含まれているとされており、貸主の費用負担が原則となっています。
具体的には、壁に張ったポスターや絵画の跡、家具の設置によるカーペットのへこみ、日照等による畳やクロスの変色などです。

借主の費用負担としては、退去の際に、借主の故意・過失や通常の使用方法に反する使用など、借主の責任によって生じた建物の損耗やキズ等の復旧費用は、貸主の費用負担が原則となっています。
具体的には、たばこによる畳の焼き焦げ、引越し作業で生じた引っかきキズなどです。

これは、あくまでも居住用に適用されることが多く、店舗に関しては不特定多数の人が使用するため、どのあたりまでが自然損耗かがわかりにくいため、貸主の費用負担になってしまうのが多いです。
このような現状で敷金が返還されないなどのトラブルが多く発生しています。

なぜそのようなトラブルが起こるかというと貸主が「原状回復」の意味を故意・過失による損耗・毀損のみならず、自然損耗によるものまで敷金によって修復させ、貸したときの状態に戻そうとするからです。

このような状況下の中で、敷金返還請求についての裁判もよく行われています。
去年12月に最高裁は「通常使用での傷みの補修費は貸主負担」との判断を示すとともに、契約書に特約条項があっても、認められるとは限らないという趣旨の判決を出しています。また今年の7月には、大阪高裁で敷引きを無効とした判決も出ています。

そして最近では、弁護士をつけなくても自分で簡単に提訴ができる「小額訴訟」という制度もあります。
この「小額訴訟」とは、60万円以下の金銭の支払いをめぐるトラブルを速やかに解決する制度です。このように今まで引越しするたびにお金がどんどん減っていく引越し貧乏という現象が起こっていましたが、正当な敷金返還請求が全てのケースに適用されるといずれ定期的に引越しができる時代がくるのではと考えられます。しかし、このような訴訟をしないにこしたことはありません。

そのためにも国土交通省が示している標準契約書などを参考にして、一方的に借主に不利な特約が付いていないかをよく確認し、場合によっては、契約条件の変更交渉などをしてトラブルを未然に防ぐように心がけましょう。

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