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家賃侍が不動産業界を斬る!第14回 固定資産税を斬る!

家賃侍が不動産業界を斬る!

第14回固定資産税を斬る!

固定資産税は、保有する固定資産(土地・家屋・償却資産)について課税される地方税です。
特に不動産売買では切っても切れない税ですが、その複雑さ・問題点の多さから様々な議論が交わされる中、リーマンショックでも問題点を浮き彫りにしました。

固定資産税は土地と家屋に対しては、基準年度(3年ごと)に評価替えが行われ、市町村に設置される固定資産評価員が行った価格評価に基づいて市町村長が価格を決定します。
一方、都市計画事業、土地区画整理事業等の財源に充当する目的税(市町村税)として都市計画税があり、市街化区域の土地・家屋に課税されますが、課税標準は、固定資産税と同じ評価額によるものとされています。

今回は土地の固定資産税にスポットをあてて話を進めましょう。

土地にかかる固定資産税

土地(宅地)の評価は、宅地の用途、道路の状況、公共施設等からの距離等からみて状況が類似する地域に区分し、この地域ごとに選定した「標準宅地」を対象に行います。
他の個々の宅地については、標準宅地の評価額をもとに周辺道路の路線価を設定し、奥行や間口等に係る補正を行って評価額を算出します。

固定資産税及び償却資産税については課税標準額に税率を乗じる事により税額を算出します。
標準税率は1.4/100。以前は2.1/100までという限度税率の取り決めもありましたが、現在は廃止されています。

固定資産税(土地)の評価方法

固定資産税の評価方法には、主に路線価方式を採用しています。
路線価とは、街路に沿接する標準宅地の単位地積あたりの適正な時価に基づいて付設された価格とされています。
路線価には固定資産税路線価と、相続税路線価の2つがあります。
固定資産税路線価については各市町村が算定し、相続税路線価については、各国税局がそれぞれ算定しています。

固定資産税の問題点

固定資産税の問題点のひとつに、評価替えが3年毎に行われると言う点があります。
直近では平成21年度に評価替えが行われましたが、その基準となるのが平成20年1月1日時点の公示価格です。すなわち、市場の実勢とズレが生じてしまうのです。

平成20年1月といえば、市場がバブル崩壊から立ち直り、不動産市場も活発でありました。 当然相場が上昇し、公示価格も上昇していた時期でした。 そしてその年に発生したリーマンショックにより金融市場が混乱し、その余波は当然のごとく不動産市場にも波及し、相場の下落や経済の混乱を引き起こしました。

その後、平成21年度に行われた固定資産税評価替えでは、相場が高騰を続けていた平成20年の基準で行われたために「資産価値が下落しているのに増税」という矛盾を生み出しています。
更にこの基準は、次回評価替えの3年後まで待たなければなりません。
固定資産税の評価には別の問題もあり、自治体による評価のバラツキや周辺の大規模開発に伴う評価額変動、複雑な評価方法など、納税者が納得できる基準とは言えません。
3年毎の見直しよりも誰もがわかりやすい評価方法への見直しが求められています。

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