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家賃侍が不動産業界を斬る!2012年不動産市況を斬る!

家賃侍が不動産業界を斬る!

第25回2012年不動産市況を斬る!

住宅着工戸数の状況

被災地の住宅着工件数ですが、当然のことながら、震災後は着工件数がかなり減少していました。5月ぐらいから回復をしてきて、7月からは昨年以上に住宅着工が急ピッチで進みだしています。

全国で8〜9月と件数が減少しているのは住宅エコポイント制度が終了したことが影響しています。3次補正予算の中には、住宅エコポイントの復活が盛り込まれているので、今後また、住宅着工もペースを戻すのではないかと思っています。

東京証券取引所が発表している東京、神奈川、千葉の既存マンション価格指数の推移では、神奈川、千葉も3月前後を見比べるとそれほど大きく変化はしていません。ただし、7月以降は減少傾向になっています。

一方、東京は3月以前から下落傾向が見られ、その傾向が7月、8月ぐらいまで続いていましたが、この10月には、8カ月ぶりに取引の成約件数が上がってきているので、今後は成約価格の下落はストップするのではないかと思われます。

震災後のオフィス市場

オフィス市場の動向ですが、東京と大阪では、概ね震災前後でそれほど大きな変化はないと思います。ただ、大阪の新築の空室率は震災前の50%から震災後は35%に下がりました。震災直後に東京から大阪にオフィス移転ということが言われましたが、一次的な現象であると思われます。

仙台のオフィス市場は震災の影響がかなり大きく出ています。新築の空室率は60%近くあったのですが、震災後、テナントがどんどん入居して空室率が下がってきている状況です。耐震性に問題のある築年の古いビルから耐震基準を満たしたビルや免震・制振構造のビルへテナントが移動した結果です。

REIT 指数の動きですが、昨年の秋から日銀が資産の買い入れを行うということがマーケットに好感され上昇してきました。震災で一時落ち込んだのですが、それを外国人が買い支えたものの、5月以降は売り越しに転じ、指数はどんどん下がり、現在は2010年の前半ぐらいの水準まで下がっています。8月以降は欧州の債務問題やアメリカ国債の格下等、世界的な金融不安が影響している状況であろうかと思います。

震災後の不動産市場の変化

震災により、各企業は災害リスクを改めて再認識しました。例えば5月の決算発表時に災害リスクについて積極的に情報開示をする動きがありました。例えば、臨海部に工場が集中しているので内陸部に移転をしたいとか、耐震化が遅れている工場を耐震化していこうとか、そういった発表が次々に出てきました。

現在、都道府県や市町村で洪水や津波、液状化のハザードマップを用意しています。実際にはマップ作成基準が統一でなく、見比べても正確に比較できないことが判明し、今回の震災をきっかけに見直す動きがあります。特に土地、あるいは地域の安全性をきちんと表示しようという動きになってきています。不動産の仲介の際に必要とされる重要事項の説明ですが、土地や地域の安全性について重要な情報に関しては、重要事項の中に入れて対応していくような動きも見られ、安全性への関心が高まってきています。

震災後の電力不足は、改めて節電、省エネルギー、そういったものを推進する必要性が求められたと思いますが、一方では企業の事業継続性、サステナブルな社会をどうつくっていくのかということが求められました。不動産市場では、グリーンビルや環境不動産といった環境への取り組みが重要になってきたと思います。震災後は明らかに「安全、安心」と「環境」が不動産市場の重要なキーワードになってきています。

2012年の不動産市場の見通し

オフィスは2012 年問題があります。2011〜2012年にかけて、オフィスの大量供給がありますので、非常に注目されています。ただし、2012年問題は東京の都心5区以外の供給がかなり多いので、都心5区以外に影響が出ると言われています。

そういった2012 年問題を踏まえると、2011〜2012年にかけて空室率がピークになり、徐々に改善する見込みです。来年以降の復興需要も加味すると、日本のGDPはこれまでとは違う展開となるかと思いますので、回復することを期待しています。

震災後の新設住宅着工戸数は100万戸ペースから70万戸に落ち込みました。来年は震災復興が見込まれるので住宅着工は増えると思われますが、かつてのように100万戸以上は厳しい状況です。日本は人口減少、高齢化問題に直面し、新築よりも中古住宅の既存ストックを流通に生かしていくことになりますので、着工戸数それほど期待できません。

地価動向ですが、6大都市では改善されていく見通しです。商業地では、下落率が1%を切るレベルまで改善し、住宅地は恐らくほぼ横ばいになるだろうという見通しです。

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