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家賃侍が不動産業界を斬る!第11回 不動産の証券化を斬る!

家賃侍が不動産業界を斬る!

第11回不動産の証券化を斬る!

今回は、不動産の証券化についてです。

不動産の証券化とは、簡単に言うと持ち運びができない「モノ」(不動産)を、持ち運びできる「カミ」(証券)にすること。具体的には、商業ビルや賃貸マンションなどの不動産を担保に証券を発行して資金を調達する手法のこと。投資家は賃料収入などの収益に基づいて、利払いや配当などを受ける。不動産に関する債権を証券化するデット(社債など)型と、不動産の所有権を証券化するエクイティ(出資証券・株式など)型の2つのタイプがある。デット型は運用利回り(インカムゲイン)を重視したもの、エクイティ型は売却益(キャピタルゲイン)も期待できるものである。

不動産は一般的に高額であり、一度購入すれば長期にわたって持ち続けるのが通常でした。そのため、不動産の流通性は鈍いものであり、個人が不動産を投資対象とするには難しい部分も多かったのです。

そこで、一つの不動産を多くの証券にし、一口あたりの単価を安くすることで個人投資家が不動産投資に参入し、日本の個人金融資産(現金や預貯金)を流動的にして経済を活発にすることを目的にして不動産証券化がスタートしました。

最近、当社に相談に来られるクライアント様の中にもこうした不動産の証券化いわゆるファンド物件に入居してるというケースが多くなってきました。ファンド物件は、あらかじめ設定された収益率や投資家への配当の絡みがあり、賃料減額が困難な物件や話し合いが長期に渡る物件など一筋縄ではいかない案件が多いのが現状です。

しかし、ファンド物件は周辺の相場などの観点から見ると、適正価格を大きく上回るものも多いのが事実です。不動産の賃料を算出する際は周辺の賃料相場や公的機関の各種指数、人口移動、環境などをも考慮して割り出していくのですが、当該物件についての収益率や利回りも考えていくことになります。そして、ファンド物件については、当然のことながら収益率や利回りを優先させた賃料設定となってしまいがちです。

入居時にそのような賃料であると解っていたならば、他の物件を探すという選択肢もあるのでしょうが、入居後何年か経ってからファンド物件になってしまい賃料値上げの通知がきた場合は簡単に移転というわけにはいきません。普段から賃料にはこだわっていただきたいと思います。

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